田中整形外科

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慢性疼痛

慢性疼痛

痛みが治りにくくて長引いている状態のことを「慢性疼痛(まんせいとうつう)」と言います。

・原因がハッキリ診断されており、その治療を続けてきているからそろそろ治ってきてもいいはずなのになぜか痛み続ける… ・いくら検査してもらっても痛みの原因となる体の異常が見つからず、どうして痛みが続くのかわからない… ・痛みのせいで仕事に行けなかったり、日常生活に支障が出ることも…
なぜ起こる?慢性疼痛

慢性疼痛はなぜ起こるのでしょうか?「痛み」には様々な原因が絡んでいると言われています。

①まずは 最初に痛みが起こるきっかけとしての「疾患」です。これは「椎間板ヘルニア」「骨折」「関節リウマチ」など… 局所(骨・筋肉・関節・神経)に生じる炎症反応などが原因です。局所で起こった炎症反応は末梢神経を興奮させ、その興奮は脊髄を通って脳へと伝えられることではじめて脳で「痛い」と感じるのです。 またこの痛みが原因で筋肉が緊張してしまうなど身体のバランスが悪くなってしまうことで、二次的な痛みが起こってしまうという場合もあります。


②次に神経伝達系の故障による痛みです。

原因となる疾患が治ってきているにもかかわらず、痛みを伝える神経伝達において正常な伝達ができなくなってしまっているものです。「神経障害性疼痛」などとも呼ばれています。ここでいう神経とは 末梢神経のみならず脊髄神経や脳神経を含めます。

どういうことかと言いますと・・・
そもそも人間の神経伝達経路は痛みに関して鈍感に出来ています。局所から伝わってくる刺激がそのまま直接的に脳に伝わってこないように抑制する(鈍くする)働きが神経回路として備わっているのです。
しかし、何らかの原因で この痛みを抑制する働きが損なわれた状態になるとどうなるでしょうか?局所の炎症が少ないにもかかわらず脳で感じる痛みは増幅されて強いものとなってしまうのです。

本来は鈍感であるべき人間の痛みセンサーが 敏感になってしまうのが慢性疼痛だと言ってもいいでしょう。

なぜ痛みを感じやすくなってしまうのか??

痛みが長引くことによる神経伝達物質の異常などが原因だとも言われています。そして「心理的要因」や「社会的要因」も痛みに敏感になってしまう原因とされています。

「心理的要因」「社会的要因」というのは 痛みが続いていることによる心理的ストレスはもちろん、家庭や職場での日常生活の心理的ストレスなどが原因になる場合です。
やる気が失せてしまい抑うつ状態になってしまうと神経伝達物質の異常が起こり、痛みに対して敏感になってしまいます。その他 痛みに関する患者さんの考え方・性格や行動パターンが原因となっている場合もあります。

実際には これらの要因が複雑に絡み合って互いに悪影響し合うことで 慢性疼痛が生じていることが多いと思われます。「心理的要因」「社会的要因」があるからといって、心の持ちようで治るわけでも、患者さんの責任というわけでもありません。
「単なる心理的な痛み」として片付けられるものではなく、複雑な要素が絡み合う「慢性疼痛」に対する治療法として、昨今「認知行動療法」というものが重要視されています。

認知行動療法とは簡単に言うと、痛みに関する行動や考え方を変えていく治療、いわば「脳のリハビリ治療」です。

慢性疼痛の患者さんの中には、 痛みに対する「考え方(認知)」と「行動」の適切なバランスに偏りが見られる場合があります。そのバランスを改善することによって、質の高い生活ができるようになることを目指すというのが認知行動療法です。

慢性疼痛の患者さんの中には、「痛みがゼロにならなければ、自分は何もできない」とか、「私が痛いのは家族が悪い」といった考え方をしてしまう方が少なくありません。それを、「痛いけれどもここまではやれる」とか、「家族もできることはやってくれている」というふうに思ってもらえるようにします。そのことで行動範囲が広がり、世界も違って見えてくるようになることがあります。
基本的には、痛みをなくすというより、痛いためにできなくなっていることができるようになることを目標にします。

「痛みのせいで自分の人生は終わりだと思っていたけれど、痛くても意味のある人生は送れる」
「痛いけど気持ちは和やかになった」

そんなふうに変わっていくことを目指します。
当院では、慢性疼痛に対して、この認知行動療法に基づいた診療やリハビリ治療も行っています。